初めての子供が
発達障害を持って生まれました。

もう30年前のことです。
その頃の世の中は、障がい者に対して、まだまだ理解がなく、偏見と差別がありました。
そんな中で障がいのあるわが子を育てるためにどうしたらいいのか、学校で理解してもらうためにはどうすればいいのか、思い通りにいかない現状に何年も悩みました。

いじめを受け学校に行けなくなった時もありました。
親子共々、精神がぼろぼろになり、一緒に死んだほうがどんなにましか、と何度も考えましたが、子供達のやさしさがそれを思い留めました。

家族の支援も必要なのではないか？

その経験をしている時に、障害を持つ家族の重みも感じ、家族の支援も必要なのではないか？
でもそのような支援は少ない、と疑問を感じていました。
そして、この経験をした私が何かの役に立てれば、という思いで福祉の仕事にはいりました。

20年間仕事をさせていただき、現場の厳しさ、福祉の職員の辛さもしりました。
そこで感じたのは、自分の思いを安心して吐き出せる場所があれば、また明日から頑張れる、そういう場所、人が必要なのではないだろうか？

私は幼い頃から、導いてくれる声を
聞くことができました。

父の葬儀の時から亡くなった方の声をきくこともできるようになりました。
父の告別式の時、娘として「もっと親孝行してあげたかった、ごめんね」と泣いている私に父は「楽しかったんだよ」と話しかけてくれました。
その時、お父さんの人生はいい人生だったんだ、と教えてもらえ、本当に「よかった」と安心でき、そんな言葉を他の人にもつたえられたらいいのに、と思いました。

私の教師は、障がいを持って
生まれてきてくれた子供です。

わがままな私にたくさんの経験をさせてくれて、私を成長させてくれました。
よく、私を選んで生まれてくれたことに、感謝です。
障がいがあることは、決して不幸なことではない、
ということをたくさんの人に分かってほしい。
障がいがあろうが、なかろうが、一人の人間としてたくさんの人を癒すことができるのです。
それは、人として本当にすばらしい力なのです。

また、私が亡くなった父の声から癒されたように、
同じように自分を責めている人に亡くなった方の声を届けることができ、一人でも多くの人の重荷を下ろせる助けをしたい、と思いました。